頭皮の皮脂の役割について

スカルプシャンプーのCMや男性向けのスキンケア商品の広告を見ると、「皮脂を根こそぎ除去!」や「これで洗うことで何もついていない状態に!」と言った内容が目につきます。また女性のスキンケア商品でも「皮脂汚れをなくして化粧崩れなし」や「皮脂を落として潤いあるお肌へ」などといううたい文句もありますね。何かと悪者にされがちな皮脂ですが、本当にただ単に悪いものなのでしょうか?

頭皮における皮脂の役割

そもそも皮脂とは毛穴の中にある皮脂腺という器官から分泌される液体のことで、肌の潤いを保つ役割をしています。おおむね思春期後半から20代で分泌量のピークを迎え、その後徐々に減少していくと言われているのです。男女の差はあれど、一番分泌量が多いのは頭皮で、次いで顔の鼻や額(いわゆるTゾーン)が多いです。

頭皮の皮脂は、夜寝ている間に分泌すると言われており、日中の紫外線や、外気の汚れから頭皮を守る役割があります。

放置するとどうなるか

日中の外気の紫外線や汚れから守ってくれた皮脂は、夜になればすっかりその役目を終えている状態です。一日の終わりに頭皮の汚れを放置してしまうと、古い皮脂と新しく分泌された皮脂が混ざり、毛髪の正常な成長の妨げやにおいの原因にもなってしまいます。

新しい皮脂がきちんと機能するためにも、一日の終わりには頭皮を綺麗に洗うようにしましょう。

皮脂を取りすぎるとどうなるか

では逆に、皮脂を取りすぎてしまうとどうなるでしょうか。スキンケアと同様、皮脂を取りすぎてしまうということは、紫外線や汚れなどから頭皮を守ってくれるものがなくなってしまいますので、その分ダメージを受けやすい状況です。頭皮でもそれは同じことが言えます。

また、潤いが足りていない状態ですので、フケやかゆみ原因にも。体験談で言うと、特に秋から冬にかけての乾燥している季節では、お風呂につからずにシャワーを浴びただけでも、潤いが足りていないことでフケが出てしまいました。

さらには「潤いが足りていない」と身体が勘違いして、余計に皮脂の分泌量を増やす行動をとってしまい、ベタついた頭皮の状態になるのです。

ちなみに、「朝シャン」という言葉を聞いたことがないという人はいないでしょう。広く知れ渡っているこの言葉ですが、頭皮の環境を整えたいのであればオススメは致しません。前述したとおり、頭皮の皮脂は夜の眠っている間に分泌されます。その新しい皮脂をわざわざ洗い流してしまうので、気分は爽快になれど、頭皮は皮脂というバリアがない状態で外気に晒されてしまうのです。

皮脂のメリット・デメリット

皮脂の役割は水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保つことです。メリットとしては艶のあるみずみずしい肌を保つことができます。デメリットとしてはテカテカしてしまうと脂っぽい見た目になってしまい、清潔感が損なわれます。また分泌量が増えてしまうことで肌のトラブルも引き起こしてしまいます。

皮脂にはきちんと肌を外気から守る役割を持っているので、「皮脂を根こそぎ洗い流す!」といった商品は、些か乱暴な商品と言えるでしょう。きちんと保湿ができるように、古い皮脂を洗い流し、頭皮の環境を整えることで、髪の毛が健やかに育ちやすい環境を作ることができます。

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